ゆななの昭和ラブホ旅行記~ホテル キャッスル~

目次

    私は単身で日本全国、北海道から沖縄までの昭和ラブホを200軒以上巡り、SNSや書籍出版などを通し魅力を発信しています。
    1985年に新風営法が施行され、それ以降はラブホテルに回転ベッドや一定以上の大きさの鏡などを設置することが難しくなってしまいました。
    昭和ラブホとは、新風営法の施行前に建てられて大きな改装をせずに当時の趣が残っているラブホテルのことを指します。
    昭和ラブホの王道である回転ベッドや鏡張りの部屋、エアシューターなど……。当時を知る人にとっては懐かしく、平成生まれの人にとっては新鮮に感じられるのではないでしょうか。

    今回ご紹介する昭和ラブホは高知県高知市「ホテル キャッスル」。とさでん交通桟橋線「梅の辻駅」から徒歩約5分で、車がなくてもアクセスできます。
    ※2024年に撮影した写真です。改装されている場合があるため、最新の情報はホテルへの問い合わせをお願いいたします。

    私がオススメする部屋を4部屋ご紹介します!

    まずは203号室。一歩足を踏み入れると、昭和ラブホの代名詞ともいえる円形ベッドが鎮座しています。特筆すべきは、壁から天井に至るまで、鏡が全体に張られていること。シャンデリアの光やベッドの姿が万華鏡のように無限に反射して圧倒的な異空間を作り上げています。

    まさかソファがあるスペースも鏡張り!?と思いきや、こちらは意外とシンプル(笑)。花柄がデザインされたポップな色の壁紙が印象的です。赤い花が描かれたガラスの奥には浴室があり、ガラスはスモークシールで全体が覆われています。きっと昔はスケスケのガラス張りだったのでしょう。

    さらに室内で目を引くのは、精算用に設置された「エアシューター」です。透明な筒の中に現金を入れたカプセルをセットし、空気の力でフロントへと送るこのアナログなからくりは、お客さん同士や従業員と顔を合わせないための当時の最先端の配慮でした。今となっては、まるで遊園地のアトラクションのようなワクワク感を感じさせます。エアシューターから自動精算機に移行してしまう昭和ラブホも増えているので、絶滅危惧種のような存在になりつつあります。

    テーブルの上に置かれた金箔押し加工の特製マッチ箱も、当時の華やかな時代を物語る貴重なアイテムです。ラブホのマッチ箱はたくさん種類があり、ホテル名だけがデザインされたもの、イラストが書いてあるものなど多種多様ですが、箔押し加工されたものは初めて見ました。なかなかのレアものです!

    お風呂はブルーで統一されていて、昭和ラブホでよくあるタイル張りが特徴。ふたりで並んで座れるように椅子がふたつあるのも嬉しい心遣いです。

    洗面所には一面に銅板が張ってあり、高級感があります。歯ブラシやヘアゴム、マウスウォッシュなど……一通りアメニティが揃っているので手ぶらで行っても安心。

    続いては410号室を紹介。こちらは先ほどの部屋と異なり和風部屋で落ち着きのある内装です。キャッスルの近くに観光名所「はりまや橋」があるのですが、この部屋の橋はそれを意識しているのでしょうか……。ラブホで地域性を感じられるのが面白いです。

    畳敷きのスペースとベッドエリアの間に橋が掛けられ、床には小さな石がたくさん敷かれているからか、室内にいながら屋外の庭園を歩いているかのような錯覚になります。写真だけパッと見ると、高級な和風旅館のようにも見えますね。

    室内の各所には、伝統的な建築様式を模した贅沢で手間暇のかかった装飾があります。

    お風呂の壁と床は、小さな花柄が規則正しく並んだ温かみのあるベージュのタイルで統一されていて、どこか懐かしく、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。このような形のバスタブは昭和ラブホで比較的多く見ることができます。よく見ると蛇口が見慣れない形をしていて魅入ってしまいました。やっぱりこのレトロ感を見ると安心できます。

    部屋とお風呂の間のガラスには着物姿の女性と、扇、竹など、こちらも和風なデザイン。踊りをしている最中なのでしょうか……。女性の手の角度が気になります(笑)

    お次は201号室。

    部屋に入ると、王冠のような形をしたヘッドボード、ベッド上の天井の鏡張り、壁のネオンサインに目を奪われます。ヘッドボードが金&黒という組み合わせがナイス!日常の寝室とはかけ離れた「異世界」を提供しようとする意図が伝わってきます。

    壁のネオンサインはインドのタージ・マハルを模したと思われます。ネオン管を職人が手作業で曲げて制作したのでしょう。LEDにはない柔らかな光を放っていて、しばらく見ていたくなるほど。

    部屋の一部に鏡張りがあり、そこにベッドやソファがうつり込んでいます。鏡越しに見る部屋もたまりません。木目調の壁紙は今風に感じられますが、レトロと上手く融合しています。

    そして、部屋のお風呂は金色のバスタブです。バスタブといえば白が一般的ですが、金色にしちゃうなんて……。この発想にアッパレ!金色といえば、スケベ椅子を連想してしまいます(笑)。バスタブは広すぎないので、ふたりで密着して入浴ができます。

    部屋とお風呂を仕切るガラスには不思議な模様が。赤、青、黄、緑といった鮮やかな色彩を用いた対称的な模様が配置されています。

    最後に702号室をご紹介。ヘッドボードのデザインがひときわ目を引きます。ベルベット調の布で覆われたそれは、両サイドが大きくせり出した独特の曲線を描き、プライベートな空間をさらに特別なものに演出しています。ヘッドボードの中央部分には鏡がはめ込まれています。

    両脇に置かれた精巧なガラス細工が美しいオレンジ色のアンティーク調ランプが、ベッド周りを妖艶かつ温かく照らし出しています。

    部屋の一角には、鏡張りの太い柱が立っています。この柱は空間のアクセントであると同時に、部屋の奥行きを広く見せる工夫だと推察しています。奥には小さなテーブルとパイプ椅子が置かれた休憩スペースがあり、ふたりの距離感がグッと縮まりそうです。

    ステンドグラス風の窓には鮮やかな色の鳥が羽ばたき、赤や黄の花々が咲き誇る風景が大胆な色使いで描かれ、部屋全体が幻想的でロマンチックな雰囲気に。ふと天井を見上げると、細かな円形模様が連なる金色の壁紙が一面に張られており、四角いガラスのシーリングライトとともに、当時のゴージャスな空間作りを物語っています。

    浴室もまた、昭和レトロの魅力がぎゅっと詰まった空間です。白を基調としたタイル張りの壁や床には、鮮やかな黄とオレンジのタイルがストライプ状やドット状に配置されて、ポップで明るい印象です。淡いピンク色の四角い浴槽が可愛らしい!

    ホテル キャッスル、いかがでしたでしょうか?

    「キャッスル」という名前の通り、外観はお城のようになっています。インテリアの一つ一つから、昭和という時代のエネルギーと、独自の美意識がひしひしと伝わってくる、とても魅力的な空間です。地方のラブホは駅から遠いイメージがありますが、最寄駅から徒歩圏内。また、エアシューターを味わいたい人にもオススメです。カプセルにお金を入れてフロントへ送るという体験は忘れられないでしょう。

    私のYouTubeで203号室を詳しく紹介しているので、ぜひそちらもご視聴ください。気になったら足を運んでみてくださいね!

    ホテル キャッスル

    オフィシャルコメント

    アクセス

    梅の辻駅から徒歩5分 / 高知インターチェンジから車で7分

    住所

    高知県高知市天神町8-10

    公式HP